エゾ鹿肉について

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エゾ鹿肉について

もみじ

エゾ鹿の寿命は約20年位で、年に1回出産します。その妊娠率は100%と高いため北海道内の生息数は何十万頭いるといわれています。
エゾ鹿の天敵であるエゾオオカミが絶滅したことに付け加え、ハンターの減少などによりエゾ鹿は爆発的に増えました。
広大な土地である北海道で、捕らえられることのないエゾ鹿たちは出産率の高さからドンドン増えていってしまったというわけです。
交通事故や住宅への被害など年々増え続けています。そうしたことから一定期間、鹿肉という形での駆除を行うようになりました。
鹿に関しては旧石器時代の遺跡から鹿の骨が発掘されており、鹿猟の歴史は非常に古くからあります。 鹿肉はもちろん、皮や角なども利用されてきました。若い鹿の袋角は中国では鹿茸と呼ばれ、高価な漢方薬として有名です。
鹿肉は隠語で「もみじ」といいます。これは百人一首にある猿丸太夫の歌「奥山にもみじ踏み分け鳴く鹿の、聲きくときぞ秋は悲しき」からきたものだと思われます。肉食を禁止されていた僧侶がこっそり食べていたのかもしれませんね。
鹿肉の調理法としてはもみじ鍋が有名です。西洋では鹿肉をロースト、香味焼き、煮込み料理などに使います。
特にフランスでは、鹿肉がジビエ(野生鳥獣)料理の高級食材とされています。
鹿肉ですが人間が食す場合、野生鹿よりも飼育鹿の方が適しています。
それは鹿を処理する時の血抜きが大きく影響しているからです。
まず、それ以上の時間がかかってしまいますと血が固まってしまい血抜きが不完全になり、肉質が固くなりますし匂いがして人が食べるには適さない不味い肉になってしまいます。
山の中での血抜きは鹿の屠体を吊り下げての血抜きは不可能ですのなので、血抜きが完璧には出来ない環境でもあるのです。
増えているエゾ鹿 飼育鹿ですと、鹿を電気ショックで気絶させた状態で血抜きを行いますので、ポンプで血を放出するのと同じで完璧な血抜きを行うことが出来ます。
それだけではありません。野生鹿は冬の間なかなか餌にありつけず痩せ細り、また天敵の熊やハンターたちに怯えながら十分に栄養がとれない状態です。
しかし飼育鹿ですと、野生の鹿をおびき寄せたのち十分に餌を与えますので栄養がいきわたり、鹿はふっくらと太り肉質も変わり美味しくなるのです。人食用の鹿肉には十分に栄養のいきわたった肉質のよい飼育肉が適しているのです。
但し、犬用のフードとして飼育鹿は適していません。元々野生である犬たちは血液からも栄養を補っているからです。血液の中には酵素や塩分といった重要な成分が含まれています。むしろ犬は肉だけでなく血や内臓の方を好みます。
そこが大切な栄養の塊であることを本能的に覚えているのだと思います。
このように同じ鹿肉でも食する対象が違うと理想が別れるということです。

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